柔道を知るものならば皆、知っているであろう【世紀の誤審】
2000年のシドニーオリンピックの男子100Kg超級の決勝戦で篠原信一さんが、フランス代表ダビド・ドイエさんの仕掛けた内股を切り返して仕掛けた技で篠原さんの一本と思われた判定がなぜかドイエさんの有効となった判定の事である。
※ちなみにドイエさんはそのシドニー五輪の前大会アトランタ五輪の覇者、しかしシドニー五輪では持病の腰痛で大会にもあまり出場できていない程の不調状態だった。なんと五輪の一ヶ月前までフランスの代表にも選出されていなかったそうです。
2000年の世紀の誤審は覆らなかった
1人の審判は篠原さんの一本、残り2人の審判はドイエさんの有効。
その判定は日本の猛抗議でも覆らず篠原さんは結果敗北。銀メダルに終わります。
後に国際柔道連盟は『両者にポイントを与えるべきで無かった』と認め【世紀の誤審】扱い。
これがきっかけでビデオ判定が導入されることになった。
内股すかしは相手の力を利用して倒す技で自分からひっくり返ったように見える事から判定が難しい・・・と言うが、それでは納得がいきませんよね(;・∀・)
しかし実際にこの技での見落としは多く、微妙な誤審は起っていたと言う。
しかしシドニー五輪から20年、審判の技術や技への理解、ビデオ判定の定着から見落としは限りなく減っているようだ。
当時を振り返って篠原信一は語る
『自分が弱いから負けた』
周囲が猛抗議数中、試合後冷静に男らしく銀メダルを受け取った篠原さん。
ーーーーーもし、金メダルを取っていたらーーーーーーー・・・
シドニー五輪から10年以上経ち意地悪な質問を投げかけた際。
『自分と言う人間は何も変わらなかっただろう』
と語ります。
ただ金を取っていた場合は『当たり前やろ』
と若干、調子に乗ったまま引退しただろう(笑)・・・と、笑って語る篠原さんだった。
今では逆にアレで自分の知名度を上げてくれたと感謝もしているんだそう(^▽^;)
世紀の誤審の苦い歴史は塗り替えられる
日本にとって苦い記憶・歴史として遺る【世紀の誤審】
しかし2020年2月9日、柔道グランドスラム・パリ大会にて男子100キロ超級・影浦心が約10年間無敗という驚異の記録を持つフランスのテディ・リネールという絶対王者から・・・
【内股すかし】で勝利を収める!!
影浦さんがリネールの放った内股をかわし身体を浴びせリネールの半身を畳につかせた際も見落とすことは無く、混乱も無く技ありが申告された。
【同じフランスの選手】
【同じ階級】
【同じ技】
さらには【10年間無敗の相手】
このテディ・リネールを倒した事で日本の世紀の誤審という苦い歴史・記憶は塗り替えられたという事になる。
柔道最強国は譲れない日本
柔道創始国・日本は【最強】である事は譲れない。
当然、東京五輪でも男子最重量級の最強の座は譲れない。
東京五輪前に日本の苦い思い出を払拭出来たことは大きい。
この【内股すかし】は様々な日本の活力となって東京五輪への活力となるだろう。
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